地域マイクログリッドとは

地域マイクログリッドとは

2018年9月6日に発生した最大震度7の北海道胆振東部地震では、大規模停電により系統全体の周波数が低下し、北海道内各所に多数ある太陽光発電所や風力発電所は、火力発電所による調整余力が戻るまで再稼働できず、調整力の確保状況と並行して段階的に系統へ接続が行われることになりました。

そうした経験を踏まえ、地域に存在する太陽光や風力などの再生可能エネルギーや未利用熱を一定規模のエリアで面的に利用する分散型エネルギーシステムが構築できれば、大幅な省エネルギー化、エネルギーコストの低減、エネルギーの真の地産地消に加え、非常時のエネルギー源確保にも効果的となります。しかし、そうした電力システムを構築するためには、これまでは一般送配電事業者が所持する系統と区別した独自の送配電ネットワーク(自営線)が必要となり、その自営線敷設に対する高額な導入コストや工事の大規模化が課題でした。このような課題を解決するために、一般電気事業者が持つ系統線等の既存設備を活用することで、電力自営線敷設にかかる導入コストの低減や工事の簡便化を可能にするための実証が、2019年度から2022年度にかけて経済産業省の補助事業で行われました。

地域マイクログリッドとは、平常時は下位系統で潮流を把握、制御し、災害等による大規模停電時には他の系統線から解列し自立的運用を行う新たなエネルギーシステムです。